|
|
|
月経のある女性の10-15%に存在すると言われていますが、腹腔鏡で見るとその数倍の確率で病巣が見つかります。命に係わることはありませんが、生理痛・排便痛・性交痛や不妊の原因になることから多くの女性を苦しめる病気です。治療は、患者様の症状や治療の目的によって異なります。子宮内膜症が疑われるだけで症状も軽度なら何も治療せず定期検診だけ行うのも一つの選択ですが、明らかに子宮内膜症があるなら、治療しておくのがよいと思います。
薬物療法には,a.鎮痛剤、b.ピル、c.偽閉経療法、d.黄体ホルモン療法、e.手術などがあります。最近になって低容量ピルが、子宮内膜症に有効であることが分かってきました。通常のピル服用法の他に、月経を起こさない低容量ピルの内服方法では、月経痛に対する改善効果が高いこともわかっています。鎮痛剤の効果が不十分な方で、偽閉経療法や手術を躊躇される場合は、一度試してもよいかもしれません。
子宮内膜症がある月経困難症の患者さんに、保険扱いできるピル(ルナベル)も発売されました。ただし、保険での料金は自費扱いのピルより安いわけではありません。黄体ホルモン療法は、第4世代の黄体ホルモン(ディナゲスト)を持続的に内服し、卵胞ホルモン産生抑制・子宮内膜細胞増殖抑制作用による有効性を発揮する新しい薬です。
卵巣チョコレート嚢腫では1%の患者さんに卵巣癌が見つかる(99%は大丈夫)ので、怪しい時は躊躇しないで手術を考えるほうが安全です。子宮内膜症は完治させるのが難しい病気なので、妊娠を望む人は治療後の再発までに早く妊娠されるのがよいでしょう。 |